闊達行雲のお絵かき&レビュー

イラスト、小説、ゲームを作っています。

【自己分析】絵が苦しい

 

・絵を描いていると苦しくなった


・自分はとくに小学生の頃から絵を描いてきたのもあって、思春期の高い理想が、絵に付着している。自我理想が絵として認識されているところがあると思います。そのため、描いていると、その理想的な見地から過度に攻撃的になったり、あるいは過度に「自分を」責めてしまって、自己否定のループにはまることもあります。今回は以下の絵を描いているときに、かなり気分的に苦しくなりました。

※先日アップした動画の内容を、さらに言語的に掘り下げた内容でもあります。

設定画の一場面で描いた絵ですが、どうも色塗りがうまくいかず、また描いていく過程でも思うように行かず、ぐったりしてしまいました。

いま見るとそこまでひどい絵でもないような気もしますが、描いているときはひどい心理状態で、描くのが苦しくなって「なぜだろう?なぜこんなに頭が重く、苦しいのだろう」と思いながら描いていました。そこで終わった後、いったん描くのをやめて、その心境を分析することで何か分かることがあるのではないかと思ったのです。

・手詰まり感

絵というのは「描いているとイメージがどこまでも広がっていく・・・」。そういうところが楽しみとしてあると思います。ところがそのイメージが詰まってきて、描いていても「もうできることがない」と手詰まり感を感じていました。これがこの作画をしているときの嫌な予感、その根本的な感情であったのではないかと感じます。

ではその手詰まり感とはなんだったのか?まずベースになる髪の色を途中で変えたい、とくに髪の影の色がマッチしていないので、変えたくなってきました。ところがレイヤー統合をしているため、その操作ができない。つまり肌や髪の毛の色といった重要なベースカラーは、レイヤー分けをしていつでも微妙な色彩を調整できるようにしておかないといけないのに、できていない。そこに不自由感、手詰まり感を感じていた要因があるように思います。

また「髪の立体感がだせないな」と思い、毛束感・髪の毛束のカタマリを描写しようと必死になっていましたが、そういうときにもレイヤーを統合してしまっているので、微妙な色調整ができない。また影部分だけを狙って色変えやエアブラシで削るということもできない。そういうことが積み重なって、手詰まり感、「あ~できない!」というような重い頭を抱えて作画しなければならない・・・。そういうようになっていたように思います。

・大きな原因

とくに髪のベースカラーと影部分の色がどうにもこうにも浮いて見えて、調整したい。しかしレイヤー分けがしていないので、できない。だから「髪の立体感をだしたい!」「髪の毛束感を出したい・・・!」という気持ちばかりが大きく広がっていき、重苦しい気持ちになっていたのではないか・・・。そのように考えられます。

アナログのように描いていきたい。そのために厚塗りを選択しているのですが、しかし何も考えず早々に見切りをつけて、レイヤー統合をいたずらに早めていってしまったがために、大きな難問にぶちあたり、苦々しい思いをしないといけなくなった。経験上、とくに肌・髪の毛レイヤーは調整が必要になることが多いので、最低限そこは統合するのを遅らせて、後々まで微調整することができるようにしておく。そういうようなことが必要になってくるなと思います。

これが今回の失敗からの学びです。

・調子よく描いているときほど、つまずきやすい

「ワクワクして絵が描ける」。これほど楽しい瞬間はないと思います。絵を描く大きな喜びの一つ。しかし、喜びがまた大きな落とし穴にもなる・・・。そういうことがあるようです。今回の問題はまさにそういう類いのものだと思います。

広がっていくイメージのままに楽しんで描いていたのに、ある瞬間からピタッと筆が止まってしまう。そして、「全然描けない・・・!」「苦しい。なんで、描けないんだ・・・?」という状態に陥る。そういうことがあるのですね。だから、ワクワクしているときほど、注意が必要なのかもしれません。

今回だったら、レイヤー分けをしっかりして微調整をかけれるようにしておき、手詰まりにならないようにしておかないといけない。慎重にならないといけないのですね。

・色同士の関係性・組み合わせが大事

色(color)は色同士の相互関係の中で、その特性が活きてくるものだと思います。いわゆる色同士の関係性、組み合わせが大事。

とくに先ほど述べた髪の色などは、茶色と焦げ茶色の相互関係で、影の部分が浮いている。ベースカラーとなじんでいない・・・。そういう状態にありました。

色同士の相互関係がうまくいっていなかった。そこをエアブラシやブラシで削ってやればよかったと思います。この相互関係、コントラストといってもいいかもしれませんが、そこを正確に把握して、一枚の絵に的確に落とし込むことで、よい絵になる。できる限り相互のコントラストを際立たせることころは際立たせ、なじませるところはなじませる・・・。その作業が必要になってきます。

絵の全体を俯瞰しながら、塗りのテイスト(全体像・感じ)を決めていく、そういう作業。大事な肌・髪の色に関しては、レイヤーを分けておいて、その色の調整をよく行っていき、最適解を見つける・・・。細かな作業の積み重ねになってくるように思います。

長い年月をかけても絵に関してはつまずくところが多く、苦しいことがあります。でも楽しいところもあるので、なんとか自分にとっての最善の回答を見つけながら進んでいきたいです。