闊達行雲の日記&レビュー

イラスト、小説、ゲームを作っています。

「マンガを仕上げるとき」に気を付けること

「仕上げ作業」に取り組むときに、ありがちな悩みと解決方法

マンガの仕上げ作業を行うときに、やりがちになることをまとめてみました。時間的に長期間になるので、いろいろとやりたいことがでてきます。
自分と似たタイプの方やマンガを描くときにネームや下書きの時ははかどったけれど、「仕上げ」の時にどうも先に進まない・・・というような場合に参考にしていただけると幸いです。

悩み①:眠くなる

●悩み

下書きやネームの時にはさくさく進んでいたけれども、「清書になるとテンションが落ちる」、「なかなか先に進まない」、「同じ筆跡を再度なぞるようで、同じ作業を何回も繰り返しているように感じ眠くなる」、というようなときがある。

●解決方法

そういうときは思い切って眠るのも手です。一日の進むべきページ数を決めたら、あとはそれを達成するまでは一生懸命やって、できたらあとは好きなことをしているというようにしていくことだと思います。絵を描くことが“苦行”になると、やっている意味もあまり感じられないし、ミスや見落としも多くなります。そうなるとせっかく描いたのに、またやり直しになり時間が有効に使えません。そういうときは、目標ページ数を決めて、そこまでは手を動かして、それ以外の時間は寝ていてもいいと思います。そうやって、頭がさえた状態で、作業に打ち込んでいくことが大事になってくると思います。

 

悩み②:ゲームをしたくなる

●悩み

先にどんどん進んでいかないといけないのに、ゲームをしたくなります。仕上げ段階では、すでに内容は決まり切っているので、それを再びなぞっていくように感じられます。ゲームの中では自由に動けるし、ストーリーも先に進むので、そういう欲求を解消したくなる。

●解決方法

これも上と同じように、ゲームを時間を決めてやってしまうことが解決方法としていいと思います。ポイントはやりたい気持ちを我慢して、締め切りを設定したりしないことです。自然に、かつ、クオリティを重視して、達成できる目標ページ数だけを決めて、後の時間は自由にゲームをやってしまいます。
「作業、作業・・・」と、視野が狭くなっていたり、あらかじめ締め切りなどがきっちりと決まっていたりすると、クオリティが落ちたり、無理やり内容をまとめようとしがちになったり、本来描かないといけない部分を強引に丸め込もうとして、作品の品質が落ちてしまいます。
そうなるよりは、目標ページ数を決めて、そこを達成できるまではきっちりと集中してやって、達成できたら、あとは悠然としてゲームをプレイすると、作業とのメリハリがついていいと思います。
経験的にやりたいゲームを我慢して締切に間に合わせようとすると、本来描かないといけない描きこみを無視したり、無理がかかって何日も休むハメになったりと、結果が逆になることが少なくないような気がします。
そうなるよりは、楽しみながら、いかに作業に注力できるかだけに集中して、それができたらあとは好きなことをしているのがいいような気がします。

悩み③:他の作品が作りたくなる

●悩み

今やっている作品(マンガ)を先に進めないといけないのに、それ以外のゲームを作りたくなったり、次の章を描きたくなったり、小説を書きたくなったり、カラーCG集を作りたくなったりする。

●解決方法

「器用貧乏」という言葉があります。これは、

なまじ器用であるために、あちこちに手を出し、どれも中途半端となって大成しないこと。また、器用なために他人から便利がられてこき使われ、自分ではいっこうに大成しないこと

を意味する言葉だそうです。
これはいろいろとできはするけれど、結局「で、いろいろやっているけど、あなたの専門は何なの?」と聞かれたり、「あなたが一番得意なことは何?」、「結局何がやりたくて活動しているの?」と聞かれたりしたときに、回答に詰まってしまったり、答えられないというところにその兆候が表れてきます。
また他者から見ると、いろいろやってはいる。本人は「あれもできる、これもできる」という認識なのかもしれないけれど、結局それは、自己満足でしかない。
読者としては、そういうことよりも、「これを見るなら“このサークル”」、というようにどうしても見たい、その“個性”にひかれて作品を見るような気がします。
RPGならここが一番おもしろいな、このサークルのこの作風が面白くて、よく見に来る、というように。
何でもやってはいるけれど、いろんなことにチャレンジしてはいるけれど、どうもいまいちパッとしない・・・。そういう場合、一つ専門となるもの、自分の一番得意に扱える武器のようなものを持っておくと、読者・お客さんにとっても分かりやすいのではないかと思います。
話を本筋に戻すと、次の話を描きたくなったら、あらかじめ決めてある目標を補助線に引きながら、できる範囲でそれをやってみるのも手だと思います。そういうときは、内容的にいいものが出てくる場合も多いです。学生時代、テスト前になると、急激にゲームをしたり、マンガを読みたくなったりしたものですが、そういうときには高い集中力でマンガが読めたりゲームをやれたりします。
それと似たような事が言えて、内容的にいいものができる可能性があるので、その気持ちを抑圧せず活かして描いていけば、いい作品がでてくる可能性があります。小説にしても、同じです。
目標を決めたうえで、それを補助線にしながら作品を先に進めていけば、良い相乗効果が得られる可能性があると思います。

悩み④:ブログを書きたくなったり、Twitterでつぶやきたくなる

●悩み
原稿を先に進めないといけないのに、ブログなどの余計なことをしているのは、時間が無駄なのではないかと思う。

●解決方法

これも、目標を決めて、それを参考にしながら、時間を決めて取り組んでいけば、作画中のもやもやや、毒を吐くことで、心の中がスッキリして、逆に作業がはかどることがあります。

まとめ

以上のように、マンガの仕上げ作業は単調で、すでにできているネームや下書きの内容をブラッシュアップするだけなので、他にいろんなことがやりたくなります。

そういうときには、その気持ちを抑圧したり、無視したり、強引に締め切りを設定して、クオリティを折り曲げてしまうのではなく、その気持ちに寄り添って、いったん従ってみることです。

そのときに大事になってくるのが、目標です。一日〇ページと目標を決めて、そこを目印にして作業をし、それ以外の時間は自由に好きなことをやっていい。また一日の目標だけでなく、おおまかにこのときまでには本編を、ここまでには表紙を完成させようという、無理のない大まかな完成日を設定できておれば、下手に焦る必要性もなくなります。
目標を決めて、それを参考にしながら一日の作業量を決める。それ以外の時間は自由にしていい。
そういうメリハリのついた作業が、マンガの仕上げの時には大切かなと思いました。