闊達行雲の日記&レビュー

イラスト、小説、ゲームを作っています。

イラスト制作の覚え書き

タイトル絵、イベントの立ち絵を制作中。その中で気になったことを覚え書きのようにして書いていきます。

タイトル絵、構図を走り書きのようにして描き上げていく

体験版の制作に向けて、そろそろタイトル絵を構築していく必要性に迫られ、描きおこしていっています。タイトル絵はいろんな要素を含め込んだ、いろんな意味の受け取れるものにしたいと思っています。まず構図から仕上げていき、それから要素要素にわけて作画をしていきます。今回のRPGは序盤の事件から、いろいろなキャラが入り乱れる群像劇なので、タイトル絵に全てのキャラを描くことはできませんが、代表となるキャラやオーガの絵などを盛り込み、またロゴはスキマなどで依頼することによって、パッと見で目を引くような鮮やかなものにしたいと思っています。モチロン魔法剣士となったジェドとクラスチェンジする前の主人公の絵は絵の真ん中、中央付近に来るように配置し、視認性を高めていきます。
こうして中央に主人公、周囲に仲間の絵、そして宿敵「紅蓮のオーガ」というような敵対勢力の構図で画面を構成し、物語のアウトライン、象徴的な場面をわかりやすく描いていきます。
構図ができあがってくると、次に一つ一つのキャラを丁寧に描き上げていきます。こうして各パーツを丁寧に仕上げながら、全体としての絵を一週間程度で描いていきます。

期間を決めて、絵に関する想像をむやみに伸ばさない

絵に関しての自分の弱点を述べてみると、想像力を羽ばたかせすぎて、絵の「完成点」を明確に定められないことにあります。文章だとそういうことはない。文章だと大体このくらいかなという完成点が、ある程度見えています。そして「いい文書を書けたな」あるいは「今回の文章はキレがわるいな」などと評価を下すことができます。
しかし絵だと、明確な完成点というのがどうも描きにくい。「これで終わりだ、完成点だ」という終わりが明確に描けないのです。「自分は描けるんだ、描き込もうと思えばもっと描き込めるんだ!」という学生時代から持ち越してきている変なクセ、絵に関する執着心が原因となって、絵に関する完成点をずるずると引き延ばしてしまっているように感じます。
しかしながらゲーム制作というのは、絵だけかいていれば完成というものではありません。そのほかにもシナリオ、セリフ、音楽、アニメーションなどなど様々な要素が絡みあって存在している総合表現です。なので、期間を決めて、絵の完成点を明確に決めてやる必要がある。その時間・期間の中で最大限の表現をしていく必要があるのですね。そこをしっかりと線引きして、絵だけにかかずりあわずに、ある一定のラインを引いて、出すものをちゃんと出していく、絵を確定させていく。そういう経験が長いことやっていても自分にはまだまだ足りないなと感じます。恥ずかしいことではありますが、この点は、「旅の恥はかき捨て」という言葉もあるとおりで、旅はしていませんが余計なクセや誤った上達方法・変なプライドを捨てて、より自分の作品が完成しよりよいものへと変化していくように、すべてを「作品を完成させる」という目的に向かって収束させていきます。期間を決めて、その中で最高のものを出していく。そういう経験を積んでいくことで、絵の技術も向上していくでしょう。そのような経験をたくさん積んで、もっと絵の中での表現力が増していくように、想像通りの絵が描いていけるように、精進していきたいと思います。

表現としての「絵」ー描くこと・描けることの面白さ

表現としての絵を追求していくときに、描けることのおもしろさが知らされることがあります。ここまで散々「絵の方ではなく、文章の方に優位がある」と述べてきたことと矛盾があると思われるかもしれませんが、文章のほうに優位性があってもそれでもなお絵の方を捨てなかったのは、絵には絵のアドバンテージがあり、その面白さがやっぱりあるからです。
やはり何もない真っ白なキャンパスから特定の視覚的イメージを提出していけるというのは、代えがたい面白みを感じますし、そこに色を塗り、視覚的なイメージを完全ゼロから表現していけるというのはクリエイターとしての一種の強みだとは思っています。ただ、実力や需要があるのかというと微妙にはなってくるのですが、少なくとも頭の中で構成している絵は、もっと上のものを描いてはいる。残るのは「技術、表現力」がそこに大きく追いついていないという点が足りないと思っています。
ともあれ、自分の技術・表現力はこれから絵を完成させていく中で、死ぬまで向上していける分野なので、生の続く限り向上努力していきたいと思います。そうしていく中で、「やっぱりや~めた」となって絵を捨てないのは、そこに魅力を感じているからであり、描くことの楽しさを知っているからです。
まあ、Twitterなどにのせても「いいね・RT」などの反応が少ないので、見た人にあまり感動を受ける人も少なく、それほど上手くもないのでしょう(自分ではそこそこ描けていると思っているのですが)。そういう実感があるので、モチロン本気を出して描いていきますが、見られなくてもそれほどガックリくることが少なくてもよい。それよりも自分が描いていて楽しかったとか、手応えを感じたとか、今まで描けなかったテクニックが習得できたとか、そういう“次”に繋がる、自分の「少しずつの向上」に繋がる、自分の「楽しみ」に繋がる、そういう感触を大事にしながら進めていきたいと思います。